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2021.01/16 更新 メディア

2020.10.16_今伝えたい能登の食べごとの記録

 2020年7月11日に輪島市立三井小学校の4~6年生が、『SDGs三井のごっつぉプロジェクト』の一環で、ふくべ鍛冶で鍛冶屋見学を行った。
“ごっつぉ”とは、“ご馳走”の意であり、能登の里山里海地域で行われる環境教育プログラムが『SDGs三井のごっつぉプロジェクト』である。

 ふくべ鍛冶は、包丁や農具、漁具、山林刃物を作る野鍛冶である。
イカや小魚を捌くことに適した「イカ割き包丁」や、畑の畦に大豆や小豆を蒔くための穴を開ける「豆鎌」などの商品を、ふくべ鍛冶4代目の干場健太郎から説明を受けながら 、見学した。

 片刃の小刀である「能登マキリ」は、刃先で魚を捌き、柄に近い部分でロープや網を切ることができるため、漁師に重宝されている。
サザエ開け」や「カキ開け」など、硬い殻を開けやすい専用設計となっている商品も製造している。

 一言で「鍬」と言っても、丸鍬、角鍬、だるま鍬、たけのこ鍬などの形状があり、畑の土の質によって、材質も鉄、鋼、ステンレスと実に様々な種類の鍬が存在する。
ふくべ鍛冶では、使う人の用途に合わせた多種多様な鍬を製造している。

 実際に製造を行っている工場も見学した。
刃物類の原材料である鋼は、状態を正確に管理するため、繊細な温度調節が可能な松炭を現在も使っており、伝統的な鍛造法で製造を行っている。

 今回のふくべ鍛冶の見学で、地域の農業や漁業に密着した商品の製造を行っていることを学んだ。 また、職人が鋼から刃物を鍛造する姿を目の当たりにし、手造りの大変さを実感できた。

 ふくべ鍛冶では、切れ味の悪くなった刃物の研ぎ直しや修理も行っている。
近年では、高齢化が進み、刃物の修理に来店が難しいお客様に訪問サービスや、オンライン包丁研ぎサービスである「ポチスパ」も展開している。