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2023.02/25 更新 未分類

日本経済新聞に掲載されました

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 創業100年超え、ふくべ鍛治の次の挑戦

  現在、伝統的な側面・現代的な側面を併せ持つふくべ鍛治。その手にある培われた伝統的な技術と現代に合わせたサービスを考案していく発想力。その両方を生かして成長している。2018年に開始した包丁研ぎ宅配サービス「ポチスパ」は、現在では1ヶ月に300〜380件も利用されるほど人気サービスとなっている。町の鍛冶屋の減少により、包丁を研ぎたいのに研げないという方に向けたサービスで、潜在的な需要に目を向けた斬新的なものが成功したものである。

 大量生産・大量消費の時代で多くのものが安価で、迅速に手に入る時代なので、「使えなくなったらなら、新しいものを使えばいいじゃない」と誰かが言いそうですが、「いいものを長く使っていく」という考え方も、良いものであると思う。刃物は一生物であり、鋼があればどんなに小さくなっても研ぐことで使い続けられると言う。ふくべ鍛治の主力商品の一つである、能登マキリのブランド名にある、「孫光」のように孫の代まで耀く、が意味するようにずっと長く使い続けられることこそが、刃物の魅力ではないかと考える。

 そのほかにもさまざまな商品を作り続けており、地域の困り事を道具で解決するという、鍛治職人の本質を捉えたものである。

 今後はその地域をさらに世界にまで拡大する計画を立てており、まずは和食人気が高く、日本の包丁の主な輸出先であるアメリカへと目をむけ、市場調査を行う予定である。国内外問わずに、どんな包丁でもどんなに錆びていても磨き研ぎ上げる伝統の職人技を手に、世界へと発信していく予定である。インターネットの発展より、さまざまなサービスが市場へと生み出されている。