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2020.06/27 更新 メンテナンス

SDGsとふくべ鍛冶の取り組み

SDGs(エスディージーズ)は「Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)」の略称で、国連に加盟する193か国が2030年までの達成を目指す全世界的な取り組みです。地球に生きるすべての人々が持続可能な暮らしを実現できるよう、貧困や飢餓の撲滅、ジェンダーギャップの是正、環境保全など、トピックごとに17の目標が設定されています。

その12番目に「つくる責任 つかう責任」という目標があります。生産者が商品やサービスに責任を持ち、また消費者もそのような商品を選択することで、資源利用や環境汚染の抑制につながるほか、商品やサービスの質が向上し、それが生活の質の向上につながります。さらにはこのアクションが広がることで、将来的な経済・環境・社会コストの削減に結び付くことが期待されています。

この目標は11のターゲットに細分化されています。「2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する。(12.5)」、「2030年までに、あらゆる場所の人々が持続可能な開発および自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。(12.8)」、「持続可能な開発が雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業にもたらす影響のモニタリングツールを開発・導入する。(12.b)」などは、ふくべ鍛冶の仕事とも大きくリンクするものだといえます。

持続可能な開発目標というと、開発途上国や貧しい国々の問題であると考えてしまうかもしれませんが、先進国に暮す私たちも目標達成のための大きな役割を担っています。むしろ、大量生産や使い捨てなど過度な消費などが指摘される私たちの社会にこそ「つくる責任 つかう責任」が求められているのかもしれません。

ふくべ鍛冶は創業以来、100年以上に渡ってご家庭の包丁や農業・林業・漁業の仕事道具など、さまざまな刃物の修理を手掛けてきました。また、メンテナンスをおこないながらひとつの道具を使い続けるという修理・リペアの文化は、限りある資源を有効に活用するための技術として再評価され、近年注目を集めています。「安さ」や「手軽さ」も道具選びの基準のひとつではありますが、ぜひ、「長く使い続けられること」や「作り手の顔が見えること」も、選択肢のひとつに加えてみてください。