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2020.11/11 更新 メディア

2020.10.1_家庭画報 10月号_能登の風土に根ざした産物に新風を吹き込む作り手たち

明治創業で奥能登唯一の鍛冶屋、ふくべ鍛冶。漁師町・能登町宇出津の地域の皆さんに昔から親しまれている老舗だ。包丁や農具、漁具などの日常生活で役に立つ道具を数多く作製している。中でも人気の高い商品は能登マキリだ。マキリとは宇出津を筆頭とした漁師町で親しまれている漁師道具で、魚をさばくことはもちろん、今流行りのキャンプやガーデニングでも重宝する夢のようなナイフのことである。

進化の歩を止めないふくべ鍛冶は近年、より高みとへ進むべく刀匠との合作である「孫光別作」を完成させた。このナイフには今をときめく「鬼滅の刃」で炭治郎などの鬼殺隊が携えている日輪刀の素材であり、現実世界では日本刀の素材である「玉鋼」が用いられている。同じ素材を使っているので、現代の日輪刀と言っても過言ではないだろう。素材もさることながら、代々引き継がれてきた野鍛冶と刀匠の技術が組み込まれている訳なので言わずもがな極上の逸品となっている。この記事を読んで興味を持って頂いた方、もしくは鬼滅ファンはぜひお手にとってみて頂きたい一品である。

そんな革新的なアイディアを世に出し続けるふくべ鍛冶が近年、新たに「ポチスパ」というサービスを展開した。ふくべ鍛冶のホームページからポチスパ用の箱を取り寄せ、刃こぼれして切れ味の悪くなった包丁をその箱に入れて送ると、職人さんが見違えるほど切れ味を復活させて送り返してくれるという画期的なサービスだ。コロナ禍の時期ともあって直接出向かわずともサービスが受けられるのはとてもありがたい。皆さんもぜひ、職人の技を体感してみてはいかがだろうか。